ぶっつけ本番はダメ!~オンラインミーティングでしくじらない5つのポイント~(第3回)

デジタル化

前回に引き続き、主に就職活動でオンライン面接に臨む学生を想定したうえで、同時にビジネスパーソンのオンライン面接やオンラインミーティングで使えそうな知恵に関する記事をご紹介いたします。

3.試しに一連の操作を確認しておくこと

全部一人でできるようにしよう

これは、当たり前のことではありますが、一連の操作を頭に叩き込んでおくことは、オンラインミーティングでは特に重要であると思います。これは、特に、IT関係には弱いなぁ…という自覚があったり、面倒なPCセットアップやアプリケーションのインストールなどの操作を人任せにしがちな人に当てはまります。というのも、フェイス・トゥ・フェイスの会議中に、何かしらのトラブルがあった場合は、最悪の場合でも、ミーティング参加者の誰かが手助けしてくれる…ということが期待できますが、オンラインミーティングは一般に、それぞれまったく別な場所で一人ひとり個別に参加しているケースが多いため、自分の問題は、完全で自分で解決することが求められるからです。ミーティング時間になっても、ミーティングに参加できなかったり、途中で脱落して、復帰できなくなってしまうようなことは避けたいですね。

他のメンバーがから教えてもらいにくい理由

無事にミーティングに参加できたとしても、「ミュートってどうやるのですか…?」「画面共有ってどうやるのですか…?」と聞くことは、ちょっと気恥ずかしいですし、場合によっては、他者から教えてもらいにくいことがあります。というのも、自分のPCに表示されている画面が、他のメンバーの画面と、必ずしも同一であるとは限らないためです。設定や権限などの違いによって、操作方法が異なる場合があり、「○○表示の横のボタンを押して…」などと説明されても、「そんなボタンないですよ!」といったことになりがちです。具体的に、「ここですよ」と、指をさしてもらうこともできたらわかりやすいのですが、それもできません。そんなやりとりで、ミーティング時間を無駄にしてしまうのは迷惑以外の何物でもありませんので、極力自分のデバイス環境で、自分一人で何でもできるようにしておきましょう。(具体的に気を付けるべき操作については、第5回で触れたいと思います。)

物理的な操作から一つ一つ確認する

テスト運用は、さっと済ませてしまいたい気持ちが働き、簡略化してしまうことがありますが、できれば、面倒ですが、物理的な操作を含めた操作を一から試してみて点検することをお勧めします。具体的には、PCやモバイル機器の電源がOFFの状態から、ONにし、マイクやカメラを接続し、アプリケーションを立ち上げるといった機能を一つ一つ確認しながら実際のミーティングを始めるということです。実際に動かしてみると、「ヘッドホンを接続したけど、認識されないぞ…?」とか、「ここのパスワードなんだっけ…?」というように、意外と初歩的なことでつまずいてしまうことがあるものです。一連の手順は、やや面倒かもしれませんが、一度メモをとってレシピ化しておくことがお勧めです。

メモをとっておくことの意外な効用

何度も同じ操作をしていれば、手順を覚えてしまうので大丈夫だよ…と思いがちですが、少し時間をおいてやると、案外忘れてしまったり、何かのきっかけで動かなくなってしまうことがあります。そんなとき、メモを取ってあるとうまくいっていたときのやり方を思い出しやすくなります。メモは、紙のノートやメモ帳でもよいですし、テキストファイルのように電子媒体でも構いません。特に最近のPCのソフトウェアや、スマホアプリは、日進月歩でバージョンアップされ、突然操作や見た目、設定が変わったりして、「あれ、こんなボタンあったかな…」とか、「こんな設定必要だったっけ…」といった場面に遭遇することがあります。メモがあれば、少なくとも、うまくいかない原因が、ソフトウェアバージョンアップなどの外的要因なのか、自分自身の操作や設定のミスなどの内的要因なのかという切り分けがしやすくなり、問題解決のスピードが格段に上がります

複数人でテスト運用をやってみる

ここまでのお話はすべて、一人でもチェックできるようなことでした。しかし、実際のオンラインミーティングは2人以上で行うため、できれば、友人や同僚同士で、実際に物理的に離れた距離において、30分から1時間くらいのミーティングを開催し、円滑に進めることができるか、試してみると良いでしょう。

物理的に離れた…といっても、市町村や都道府県をまたぐ…というほど離れる必要はないかと思います。しかし、同じ部屋同士で行っても、実際の声が聞こえてしまい意味がないでしょう。また、マイク同士が近すぎると、ハウリングが生じる可能性もあります。また、同一の会社内、建物内での会議室を分けた程度では、同一LANシステム内でのテストとなってしまい、通信が比較的安定し、トラブル耐性のテストとなりにくいです。例えば自宅と研究室、自宅と会社、Aさんの自宅とBさんの自宅のように、一度インターネットを介する条件でテストするのが良いでしょう。

緊急時の連絡手段を考えておく

これは、本番運用でも同様ですが、万が一、トラブルによって通信が途絶えてしまった場合の代替通信手段を設けておくことが良いでしょう。例えば、電話、メール、SNSなどを相互に通信できる状態にしておきましょう。この3つの中では、電話がもっとも安全です。というのも、トラブルにより、インターネット接続そのものができなくなった場合、メールやSNSも使えなくなってしまうからです。

音声や映像の確認

まずは、基本的なことですが、相互に「私の声が聞こえていますか?映像が見えていますか?」「〇〇さんの声と映像はOKです。」というように、声を掛け合いましょう。何か問題があれば、相手にフィードバックしましょう。そもそも音声に問題がある場合は、先述した他の連絡手段のほか、簡易的にはチャットでフィードバックすることが可能ですので、チャット機能の操作方法を確認しておいた方が良いでしょう

音声については、小さすぎる、大きすぎる、音が割れてしまっている、とぎれとぎれになっているなどのトラブルが考えられます。映像については、映像が写っていない、解像度が悪い、ぼやけてしまっている、かくかくとした動きになっている等が考えられます。音声については、マスターの音量を調整することで、改善することがあります。映像も、ビットレートを調整することで、改善することがあります。

また、デバイス側だけでなく、人間側の工夫もするべきでしょう。自分の声がどう聞こえているかを参考にして、自分の話し方も工夫した方が良い場合があります。例えば、少し大きめな声にする、はきはきと話す、ゆっくり話す、少し高めの声で話す、などです。映像では、自分がどのように映っているかを確かめましょう。部屋が少しくらいときは、電気をつけて明るくするなどの調整が必要です。

少し長めにテストしてみた方が良い理由

30分から1時間くらいテストしてみるべき理由としては、簡単にマイクテスト、カメラテストを1、2分やったくらいでは気づかなかったトラブルが、会議中に発生してしまうトラブルも想定されるからです。

例えば、カメラに写す映像を、いろいろ変えてみることが考えられます。オンラインミーティングの映像は、通信負荷を削減するために、一般にデータ圧縮して送受信されます。その際、一般に変化が激しい映像ほど圧縮率が悪くなるため、通信負荷が高まり、当該環境での通信速度の限界を迎えたときに、画面のフリーズや、通信切断が起こってしまうからです。よく、人物が静止しているときは、問題なく通信が行えているように見えても、瞬きをしたり、首を振ったり、口を開き始めた瞬間にフリーズしたりすることがあるのは、このような理由です。いつもより少し大げさに動いてみたり、映像に変化を加えるテストを行うことで、トラブル耐性を確かめることは重要なことです

同様に、少し大きめな声で話をしてみたり、早口で話をしてみたり、あえて騒音の多い環境で行うなどをすることで、音声面でのトラブル耐性を確かめることができます

また、Windows系PCでありがちで、かつ、原因が特定しにくいトラブルとして、「ミーティングを行っている最中に、だんだん音が小さくなってしまい、最後には聞こえなくなってしまう」ことです。これは、同じWindowsPCであっても、使用しているアプリケーションや、接続しているハードウェア等によって、さまざまな原因が考えられることが厄介です。特にWindowsシステム本体が良かれと思って自動で調整しているケースなどは、一見正しく動いているように見えるので一層厄介です。インターネット上にはたくさん情報があるので、あらかじめ情報源を多く集めておくと、いざというときの対処がしやすくなります。

参考URL

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第3回は、オンラインミーティングを円滑に進めるために重要な通信品質の話題について述べました。次回は、オンラインミーティングを行うのに気を付けるべき周辺の環境について述べてみたいと思います。

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