ぶっつけ本番はダメ!~オンラインミーティングでしくじらない5つのポイント~(第2回)

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前回に引き続き、主に就職活動でオンライン面接に臨む学生を想定したうえで、同時にビジネスパーソンのオンライン面接やオンラインミーティングで使えそうな知恵に関する記事をご紹介いたします。

2.通信の品質を確保すること

目に見えないから分かりにくい!?

オンラインミーティングは、インターネット接続を通じて行う会議ですので、通信の品質は、もっとも重要な要素です。インターネットへの接続方法は、大きくは会社や公共施設、自宅などといった場所から、アクセスポイントを通じて接続する方法や、スマホといった通信キャリアが提供する通信サービスを通じて接続する方法などがあり、それぞれ異なる特性があります。

PCやスマホといったデバイスそのものと異なり、通信品質は目に見えにくいため、おろそかにしたり、対策がわからず悩んでしまうことが多いところです。一昔前であれば、インターネット接続といえば、有線接続が一般的であったため、比較的通信速度は安定していました。近年は、無線接続をするケースが増えたため、理論通信速度こそ速くなりましたが、時間や場所、回線の混雑具合などにより「よくわからないけどつながりが悪い…」という場面も増え、一層悩ましいものとなっています

通信速度を測ってみよう

通信の品質を確保することの第一歩は、「通信速度を測定すること」です。「スピードテスト」などの単語でインターネット検索を行うと、通信速度を測定するサービスを提供するサイトがたくさんヒットすると思います。基本的には無料のサービスですので、一度もやったことがない方はぜひ一度試してみてください

スピードテストは、特定の通信速度測定サーバに対し、特定のサイズのダミーのデータをアップロードないしはダウンロードし、かかった時間を測定することで通信速度を定量化します。アップロード速度を上り速度、ダウンロード速度を下り速度といいますが、オンラインミーティングは、話し手・聞き手の双方向通信であるため、上りと下りの双方の速度が十分でなければ意味がありません




今回筆者が使用した速度測定サイト「USEN GATE 02」

インターネット回線スピードテスト・通信速度測定 | USEN GATE 02
ダウンロードやアップロードスピード、ping、Jitt...

どのくらいの通信速度があればいい?

一般的には、オンラインミーティングを快適に行うには、10Mbps程度の通信速度が必要といわれます。筆者も実際に、自宅のPCからWiFi接続で、あるスピードテストサイトを試してみたところ、下りの速度は100Mbps程度でしたが、上りの速度は10Mbps程度でした。必要通信速度はギリギリ満たしているという感じですが、日々のテレワークや、中小企業診断士同士のミーティングには、今のところ支障を感じません。

同様に、スマホ(MVNO、docomo、4G回線)でもスピードテストを試してみましたが、下りは75Mbps程度、上りは7Mbps程度でしたので、必要な通信速度には少し足りていないようでした。後述するように、筆者はスマホを使ったオンラインミーティングは、テザリングも含めて、行わないようにしています

通信速度は変動が大きいので注意!

スピードテストは、一度ではなく、時間や場所を変えたりして何度もやってみることをお勧めします。連続で数回試してみるとわかりますが、毎回数字が大きく異なることがあります。無線通信は、混信の具合や、他のユーザーの使用による混雑具合にも影響を受けやすいので、こうしたことが起こります。筆者の経験によれば、特にキャリアの無線通信(いわゆる4Gなど)で起きやすい傾向があるように思います。例えば、ある特定の部屋では電波の入りが悪い、近くで混信を与える機器が動作している、朝の通勤時間帯やお昼の時間帯、夕方の帰宅時間帯は通信速度が落ちるなどがあります。通信速度の独特のクセが見えてくると、つながりが悪くなった時の対策がわかり、ノウハウ蓄積に繋げることができます

キャリアの無線通信でオンラインミーティングをする

docomoやKDDI、softbankといった大手やその他のMVNO会社が供給する、いわゆるキャリアの無線通信は、筆者は現時点では、あまりオンラインミーティングに適していないと感じています。理由は、先述した通り、快適なオンラインミーティングができるような通信速度が得られないケースが多いからです。もちろん、いわゆる4G回線は、理論通信速度が100Mbpsなので、場所や時間帯によっては十分な通信速度が得られる場合がありますし(筆者は、神奈川県で生活していますが、都心の方ではそのような環境が得られやすいのかもしれません。)今後、5G回線が普及してきた場合にはまた状況が変わるかもしれません。

また、一般にキャリアの無線通信は、月当たりの通信容量の上限が決められており、それを超えると、通信速度制限がかかってしまうことがあります。快適なオンラインミーティングに必要な通信速度が10Mbpsであるとすると、逆に、オンラインミーティングを行うたびに毎秒その程度の通信容量を消費する可能性があり、毎月数GBのプランでは、数回のミーティングで、あっという間に通信制限がかかってしまいます。通信速度制限がかかった場合、速度は数百kbpsに落ちてしまうため、オンラインミーティングは続行不可能となるでしょう。容量制限を気にしながらミーティングをするのはちょっとヒヤヒヤしますね。もちろん、こちらも、今後大容量のプランや、容量無制限のプランが増えてくると状況は変わってくるでしょう。

無線LAN(WiFi)経由でオンラインミーティングをする

筆者のお勧めは、やはり、無線LAN通信(WiFi)が確保できる環境を用意することです。会社や公共施設であれば、接続設定をすれば使い始められますし、自宅であれば、光回線のインターネット接続などを導入し、無線LANのアクセスポイントを設定する必要がありますが、誰にも気兼ねなく快適に使うことができます。この際気を付けたいのは、WiFiの通信規格にもいくつか種類があり、可能な限り最新の通信規格に対応したデバイスを用意することです。通信規格というのは、技術的な呼び方でいえば、IEEE802.11ナントカ…というものになりますが、このナントカの部分によって、規格の新しさがわかります。一般に新しい規格に対応しているほど、高速な通信速度が得られます。逆に、古い規格のまま使い続けている場合は、十分な通信速度が得られにくいことが多いです。また、新しい規格に対応しているデバイスは、古い規格とも互換性を保っていることが多いです。

参考URL

Wi-Fiの規格「IEEE 802.11」全種類を総チェック!
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新しい通信規格の恩恵を受けるには、アクセスポイント側とデバイス側の双方がその通信規格に対応していることが重要です。また、規格が対応しているが、間違って古い設定がなされていることがあるなどの理由で、せっかく高速通信ができる環境が整っているのに使えていないというケースもあるので要注意です。

今回は、通信の品質に関する話題について述べてみました。

次回は、本番のミーティングの前に試しておくべきことについて述べてみたいと思います。

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