分科会

現在活動中の分科会

「デジタルマーケティング」分科会

近年、デジタルマーケティングという言葉をよく目にするようになりました。デジタルマーケティングの概念を説明する図書も多く出版され、インターネット記事も多く見つかります。しかし、これらの多くの情報は、

  • 抽象的表現が多く、結局、デジタルマーケティングが何なのかがつかみづらい
  • 大手企業の成功事例の紹介にとどまり、中小・零細企業がどう取り組めばよいかがわからない

などの問題を抱えていると考えます。

デジタルマーケティング分科会は、‟デジタルマーケティング”という用語を、中小・零細企業がどのように活用できるのかという観点からとらえなおし、理論的・実践的側面の双方から探索し、成功するパターンを見出すための活動をしています。

活動が終了した分科会

「中小企業のサイバーセキュリティ」分科会

湘南診断士ネット会員有志による「中小企業のサイバーセキュリティ」分科会は、このほど、中小企業診断士等の中小企業を支援する方々を対象に、中小企業のサイバーセキュリティ対策についてとりまとめた報告書『「中小企業のサイバーセキュリティ」~ランサムウェアの脅威から企業を守る~』を作成し、公開することにしました。

① 報告書の背景・目的

最近、サイバー攻撃の手口が高度化・巧妙化していることから、特にランサムウェアの被害が拡大しており、攻撃対象も大企業から中小企業にも広がってきています。そのような中、中小企業の経営者は「何から始めたらよいかわからない」「どこまで対策すればよいのか」と、まだまだ具体的なセキュリティ対策を実行できていないのが現状です。しかし、一度サイバー攻撃の被害に遭うと、膨大な賠償金が請求されたり、顧客さや取引先に被害を及ぼしたりすることで企業の存続にまで影響を及ぼす可能性もあります。

そこで本分科会では、中小企業のサイバーセキュリティの実態を把握し、事例や対策について調査を行うことで中小企業支援者のセキュリティの理解を深め、中小企業のセキュリティ対策に貢献するということを目的に活動を行いました。

➁ 報告書の概要

 ・はじめに

                本活動の目的と背景および活動計画、

 ・現状と課題

                中小企業のセキュリティ対策における現状の問題点

  • 情報把握・対策・人的問題等の観点で対応が遅れている
  • ランサムウェアに対するリスクを読むのが困難

現状の問題点をふまえた課題

                1. 経営者のセキュリティに対する意識変革

                2. セキュリティ人材の確保・育成

                3. ランサムウェア対策

 ・対策

  1. 経営者の理解、自社に合った対策方針の策定
  2. 教育、外部専門家の活用
  3. 情報セキュリティリスクの低減、専門化の指導に基づく対策の実施

 ・事例

                組織の情報セキュリティ被害事例

                中小企業の情報セキュリティ対策事例

 ・まとめ

③報告書に対する専門化のコメント

本報告書の内容について、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)で、「サイバーお助け隊」という中小企業向けのサイバーセキュリティ対策サービスの普及啓発に取り組まれている芳賀政伸様にご意見を伺いました。芳賀様からは、「資料は丁寧にまとめられており、とても良い内容」との総評を頂きました。

 ディスカッションの中で頂いたコメントのポイントをご紹介します。

  1. 日本は海外と比べて全般的なセキュリティ対策が遅れているとは限らないが、中小企業はセキュリティに対する認識が低いのは事実であり、多くの中小企業の経営者はセキュリティの用語(例えば「リスクアセスメント」)をご存知ない
  2. 中小企業にとっては、ランサムウェアの被害が脅威で、システム破壊による事業停止、情報漏えいによる信用の低下などに陥る可能性がある
  3. 対策としてはバックアップをしっかりとることが重要で、どこに何があってどう守るのかを把握し、場合によってはクラウドサービスを活用することも必要
  4. そのほかの対策としては、中小企業の情報セキュリティガイドラインや、サイバーお助け隊サービスを活用するとよい
  5. もしサイバーセキュリティ被害に遭ったら、IPAの「あんしん相談窓口(メール・電話)」や、警察(防犯:相談窓口、公安:セキュリティ対応窓口)に連絡するとよい

 皆様が中小企業の支援をされる際に、サイバーセキュリティの話題についても触れて頂き、その重要性を経営者と共有して頂くことで、中小企業のサイバー被害を少しでも減らすことに貢献して頂ければと思います。

 本報告書がそのための一助となれば、幸いです。

「業界調査深堀り」分科会

私たち中小企業診断士の主な活動の1つとして、中小企業の経営状態を診断し改善・改革を提案して実現に向けて伴走する支援があります。
支援先の中小企業の社長や経営層の皆さまは大変お忙しいため、診断をはじめとした支援活動は、短期間でかつ高いレベルの提案が求められます。

そこで、支援先の社長や経営層の皆さまとの面談や現場調査を効果的に行えるよう、予め中小企業診断士が支援先業界のことを理解するための参考資料を作成することにしました。具体的には、金属加工業を対象に、業界経験の浅い中小企業診断士でも理解できるよう、分科会メンバーの支援経験のある4分野(切削研削加工、金型、板金、切削加工)について、それぞれ「業界」「設備/加工法」「診断ポイント」の観点でまとめました

この資料を私たち中小企業診断士が活用することで、支援先の企業にマッチした優れた改善・改革内容を短時間で提案することができ、社長や経営層の皆さまの満足度向上を図ることができると考えています。また私たち中小企業診断士もエッセンスを読み取ることで、金属加工業だけでなく多くの製造業に転用でき、活動の幅が広がることも期待しています。

事例1_切削・研削加工_提出版

事例2_板金加工_提出版改

事例3_金型_提出版

事例4_金属切削_提出版

「RPA・AIを活用した中小企業の働き方改革」分科会

当分科会においては、中小企業の生産性向上・働き方改革に向け、デジタル技術の発展に伴って、非常に身近な技術になってきているRPA(Robotics Process Automation)やAI(Artificial Intelligence)をどのように活用していくべきかをテーマに研究をしてきました。

まずはRPAやAIの技術そのものについての知識を深めるため、「ディープラーニングG検定」公式テキストとして学習を進めることとしました。テキストの章ごとに担当者をアサインし、担当者がレジメを作成して、それを輪読するという、大学のゼミ方式で知識の習得に努めました。それに加え、RPAが実務に活用されている事例を集めて研究したり、RPAのアプリケーションを販売しているIT企業の専門家を招いて、講話をしていただいたりといった取り組みを進める等、RPA・AI技術についての理解を深めました。

本来であれば、習得した知識を基に、実際の中小企業のクライアントに対して、RPA・AIを使った生産性向上のための取り組みを提案・導入するという段階まで進みたかったのですが、新型コロナウイルスの影響で中小企業の経営状態が厳しい中、そのような実験的な取り組みを行うには時機が適していないことから、分科会としての活動は一旦終了しました。
本分科会に参加したメンバーが、ここで習得した知識や共有した事例集を、今後の診断士活動に活かしていただけることを期待しております。

「創業支援」分科会

中小企業診断士の業務として、創業支援に限らず、すでに開業済みの企業の支援にも使える事典のような資料を作ろうという事で、この分科会がスタートしました。

資料の構成は、中小企業診断士試験の科目が企業支援に必要な要素をすべて含んでいることから、これを意識し、対象業種を「ラーメン店」としてまとめました。

なお、資料は2019年後半時点での公開資料に基づいて作成したため、その後変更されている箇所がありますのでご注意ください。

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「健康経営」分科会

「健康経営」とは、従業員等の健康管理や健康増進の取り組みを「投資」と捉え、経営的な視点で考えて、戦略的に実行する新たな経営手法として近年注目されています。特に昨今はウイズコロナ、アフターコロナにおける経営課題としてその重要性が高まっています。
しかしながら多くの中小企業は、以下のような迷いを感じているのが現状ではないでしょうか。

  • どのように取り組んで良いかわからない
  • そもそも取り組むことでどのようなメリットがあるのか、今一つ理解できない

我々は、中小企業の実情を理解し、深く寄り添う事の出来る中小企業診断士ならではの視点で、そのような中小企業の経営者に、「健康経営」の概要をご理解頂き、取り組む意欲を持って頂く事を目的として、まずどのような事から取り組めば良いのかについてレジュメとしてまとめました

「銭湯経営」分科会

皆さまは、究極の地場産業は何だと考えられますか?
その場所でないと堪能できないモノ・・・それは、「温泉」なのです。
神奈川県には、箱根などの大温泉地帯もありますが、その他の地域にも個性的な温泉があり、それらは、中小企業が経営していることが多いのです。

私たちは、そのような神奈川県で頑張っている中小企業の温泉や銭湯を支援しようと、平塚市の「太古の湯」様のご協力を頂き、入浴をして取材・調査を進めました。
また、同じく平塚市の「湯の蔵ガーデン」様にも伺い、両社を比較して経営診断報告書を作成しました。

ちょうど、サウナブームが始まり、サウナに魅せられた人々を描いた「サ道」というTV番組がスタートするなど、サウナへの関心が高まった時期でもありました。

完成した報告書は「太古の湯」様に進呈する予定でしたが、「太古の湯」様が操業を停止されたため、報告書の進呈には至りませんでした。
その点は残念でしたが、今回の活動を通じてメンバーと一緒に入浴して調査するなど、メンバー間の親睦が図れたり、銭湯経営のポイントを考えることなどができ、有意義な活動となりました。

「はばたく中小企業のデータベース化」分科会

皆さまは、中小企業庁編纂の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」をご存知でしょうか。中小企業庁が編纂した、2006年から10か年以上に渡る計3,000社の優良企業の事例の宝庫です。

我々湘南診断士ネットはこの「はばたく中小企業・小規模事業者300社」をより使い易くデータベース化するとともに、データベースを用いた中小企業の成長戦略の立案方法を検討しました。

湘南診断士ネットはこれを公表して多くの診断士の中小企業支援と中小企業者の経営改善・業務改善に活用頂くことで、多様な中小企業の経営改善・業務改善のお役に立ちたいと願っております

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『企業診断ニュース』2020年7月号(一般社団法人中小企業診断協会)

成長戦略データベース
  • 成長戦略データベース」は、Microsoft社のExcelマクロで動作するワークシートです。どなたでも、無料でダウンロードし、使用することができます。(「成長戦略データベース」を2次利用する場合は、出典(湘南診断士ネット)を明記してください)
  • データベースの概要と使用方法はこちらをご覧ください
  • ご使用いただいたご感想、お気づきの点などございましたら、「お問い合わせ」より、送信いただけたら幸いです。皆さまの忌憚のないご意見をお待ちしております。
  • 「成長戦略データベース」の利用により発生したトラブルについては、当会は一切責任を負いかねますので、ご承知置きください。