副業について~企業で働きながら事業を始めよう~その4

中小企業診断士向け

働き方や生き方が多様化する時代となり、副業を解禁する企業が増加してきています。筆者も実際に企業で働きながら副業で事業を始めましたので、経験も踏まえてコラムを書いています。今回は連載の4回目です。

前回はこちら

法人成りのメリットとは

前回予告しましたが、今回は法人成りについて書いてみたいと思います。まずはメリットです。

法人成りするメリットについては色々ありますが、まずは個人事業主として取り引きするよりも信用があるということでしょうか。取引先によっては個人で取引した場合には信用取引ができず現金決済のみといった企業もあるかと思います。

次に個人が法人から報酬を受け取る場合、税法上、報酬を支払う企業に所得税の源泉徴収をお願いしなければならないというデメリットがあります。お客さまに源泉所得税の納付や支払調書の発行という余計な事務処理をお願いすることになりますので、特に民民の契約であれば、法人で受けるよりもハードルが高いと言えます。

もう一つのメリットは節税効果です。法人の場合は利益に応じて法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税を支払います。利益が出ていなくても法人住民税の均等割りで数万円が課税されますが、詳しくは書きませんが税率はほぼ定率と考えて良いです。

一方、個人の場合はご存知のとおり所得税と住民税の支払いが必要になりますが、こちらの住民税は定率ですが所得税は累進課税ですし、副業の場合、本業の給与所得がありますから副業の利益によっては確定申告の納税額が高額になることも考えられます。

実際のところはシミュレーションをする必要がありますが、上記の3つのメリットと法人設立に必要なコストとを総合的に判断して決めれば良いのではと考えます。

法人設立の手続き

実際に法人成りする場合の手続きについてです。法人設立でまず必要になるのは定款の作成です。定款は設立する法人を株式会社にするのか合同会社にするのかでも違いますが、定款作成のプロセスを簡単に済まそうと思うのならば、会社設立freeeという無料のSaaSがありますので、これを利用する手もあります。私もこれを利用しました。

株式会社と合同会社で何が違うかというと会社法上で違いは色々ありますが、設立に関して言えばコストが違います。株式会社の場合、定款の認証が必要なのと、法人登記の登録免許税が高いという特徴があります。私は株式会社の方が取引先への受けが良いだろうと思い株式会社にしましたが、むしろ合同会社の方が珍しいので話題性があるといって選択する方もいるようです。

定款が出来たら、株式会社の場合には公証人役場に行って認証してもらう必要があります。合同会社の場合には認証が不要なため、コストが削減できます。この際に電子定款にすれば印紙代を節約することができます。

定款が認証されたら、次は法務局に行って法人登記をします。この際に支払うのが登録免許税ですが、この税額も株式会社と合同会社で異なり株式会社の方が高いです。私は自治体の創業セミナーを受講して登録免許税の減免を受けて半額にできましたので、登記する自治体に問い合わせてみると良いと思います。なお、法人登記の際には登記する会社印をあらかじめ用意する必要がありますし、資本金振込の証跡として通帳の写しも必要になります。

法人の設立日は法務局に法人登記の申請をした日になります。実際には、手続きに1~2週間かかるので、この後の法人税や社会保険関係の手続きは登記の手続きが完了してからになります。また、ここでは詳しく書きませんが、事務所の賃貸契約の法人契約への変更や銀行での法人口座開設なども登記完了後に必要な手続きです。

法人設立に伴う法人税や社会保険関係の手続き

会社設立に関する法人税関係の手続きは税務署に法人設立届出書を届け出ます。併せて、青色申告の承認申請書・給与支払事務所の開設届出書・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書も提出します。ここで、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書とは源泉所得税の納期を毎月では無く半年に1回にすることを申請する書類になります。

上記の給与・源泉所得税関係の申請は役員報酬で利益を受け取る場合に必要な書類になります。法人から利益を受け取る方法には役員報酬や役員賞与で受け取る方法と株式会社では株主に対する配当で受け取る方法がありますが、配当で受け取る場合には資本金を300万円以上にする必要がありまあす。私は資本金50万円で設立したので、役員報酬で利益を受け取っています。

続いて社会保険関係の手続きは、年金事務所に健康保険厚生年金保険新規適用届と健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届を提出します。ここで役員報酬額を申告することで、納付する社会保険料が決まります。本業で給与所得がある場合には、健康保険厚生年金保険被保険者所属選択二以上事業所勤務届も提出します。二以上事業所勤務届は本業の会社の健康保険組合にも提出する必要があります。

設立時に必要な手続きは以上ですが、役員報酬を支払う場合は当然ながら毎月の源泉所得税・社会保険料支払いに関する手続きも必要になります。慣れればどうということは無いですが、面倒と言えば面倒です。

最後に

副業に関するお話は一旦これで終了致します。

精読頂きありがとうございました。

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