和多田です。
本日はホームページのことについて書いてみようと思います。
(※本稿のホームページという用語は正確にはWebページと呼ぶべきかもしれませんが、ホームページという言葉の方が慣用的のため、本稿でもこれで統一いたします。)
私は、中小企業の経営支援を何十とさせていただいたことがありますが、ホームページを持っていない、もしくは、すごく昔に作ったが、ほったらかし…といった企業様が多いことに驚かされます。
昨今のコロナ禍による、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の流れ、あるいは、菅内閣に変わり、これまでほったらかしとなりがちだったデジタル化の流れが一気に推し進められようとしている機運があります。
これを機に、ホームページを持っていなかった企業様は、ホームページを持ってみること、あるいは、ホームページをほったらかしにしていた企業様は、新たに更新をすることに挑戦することをお勧めします。
ホームページを持たないことによるデメリット
1990年代に、日本にインターネットが普及し始めて以来、企業がホームページを持つことは珍しくなくなってきました。当初は、パソコンがなければ閲覧できなかったホームページでしたが、それから30年経ち、今では、スマホで手軽に閲覧することができるため、多くの人は、初めて買い物するお店や商業施設、会社などについては、必ずホームページで確認してから訪れるという習慣ができてしまっています。
つまり、多くの人にとって、それらは当然のようにホームページを持っているだろうという認識ができてしまっており、かつ、ホームページが適正に管理された状態であることが、健全に組織が運営されていることのバロメータとしていると思います。
よって、もしホームページがなければ、すでに閉店や倒産してしまったのではないかと思われてしまっても不思議ではありません。
ホームページがほったらかしになっていることによるデメリット
10年以上前に、これからはインターネット!という言葉に押されて、ホームページを作成した、あるいは制作を依頼してみたものの、更新をされてないという方も多いかと思います。ホームページが更新されていないと、先述のホームページがないことのデメリットと同様、健全に運営されていない印象を与えてしまうことに加えて、なまじ作ったということで満足してしまい、実際には効果があまりでていない、あるいは、当初は効果があったもののだんだんその効果が薄れていってしまっているということが考えられます。
今日発行された新聞が、数年たっていくと情報が古くなり価値が下がってしまうことと同様、ホームページも、情報が古くなっていては、新鮮味がなく、魅力が下がってしまいます。10年も経つと、事実が変わり、間違った情報を発信してしまっていることがあります。
また、パソコンが全盛だった時代と、スマホが全盛である現在では、同じ情報を発信するホームページでも、見せるべきデザインが変わっていることも多々あります。横長で大きいパソコンモニタ向けにデザインされたホームページは、縦長で小さいスマホの画面で見ると、文字が小さくてとても読みづらくなっているということがあります。
通信技術が発達するにつれて、コンテンツも、単純な文章のようなものから、画像を多用したもの、あるいは、最近では動画を使った情報発信も珍しくなくなりました。昔と比べ、最近はクオリティの高いホームページが多くなってきたこともあり、昔のコンテンツをほったらかしにしていることは、他のホームページから見た相対的な魅力が下がっていることを意味し、読者の目にとまりになくなってしまっているかもしれません。
ホームページを作る・運営することの3つの障害
ホームページを作ること、作ったホームページを運営することがなぜできないのかを考えた場合、大きくは3つの障害があると、私は考えます。
①コストの問題
ホームページと一言で言っても、ピンからキリまでありますが、それなりに見栄えのするものを作るには、IT技術やデザイン力が必要なので、業者にそれなりに初期費用をを支払う必要があるでしょう。サーバーをレンタルする場合は、維持費もかかります。無料でできるサービスもありますが、商用利用の制約や広告を掲示しなければならないなど制約があります。
費用としては、むしろこちらの方が重要かもしれませんが、ホームページの情報を日々更新するのもそれなりに労力がかかります。ホームページの更新に1日1時間かければ、それはそのまま1時間分の時給を支払っていることになりますし、その1時間が、本業に充てるべき時間から削られることによるダメージも考えられます。
②モチベーションの問題
ホームページを作れない、あるいは、更新できない理由のもう一つは、モチベーションの問題があると思います。これは費用に対する効果の問題ともいえるかもしれませんが、結局、相応のお金や労力をかけても、それに見合う対価・結果が得られなければ、やり続ける意義を感じられず、やめてしまうということです。
ホームページをせっかく作ったり、更新を行っても、読者からの反応が得られない、お客様が増えない、売り上げが上がらないといったことが続くと、やっても意味がない…と感じてしまい、続けられなくなってしまいます。特に、ホームページ開設当初は、検索エンジンや他のホームページからのリンクが少なく、アクセス数が伸びにくいため、モチベーションをどうやって維持するのかが問題となります。
③技術の問題
ホームページを構築するというのは、もう一つのオフィスを構えるというようなものと似ています。つまり、チラシ・広告・ポスターなどのように単発で終わるマーケティングツールと異なり、長期的に維持・管理することによって信頼・ブランド価値を高めていく必要があるからです。
ホームページ作成業者に依頼すれば、スキルがなくとも、デザイン性の高いホームページを作ってもらえるでしょう。しかし、重要であるのは完成した後、どのようにホームページを活用していくかです。日々新しい情報を発信したり、お客様の要望に沿うようにホームページを変えていくことが求められますが、そのためには、まずは基本的なITスキルを持つことと、日々新しく登場する技術に関する知識を拡充していく意識が求められます。
ITにはどうも疎いなぁという方が、最新技術にキャッチアップすることが難しいことはもちろんですが、日々変わりゆく最新技術に追従することも、相応に大変なものです。
湘南診断士ネットに何ができるか?
ホームページの作成・維持には3つの障害があることを見てきましたが、これらは特に中小企業に顕著な問題であると考えます。というのも、資金力がある大企業であればある程度お金の力で解決できてしまうことも多々あるからです。では、中小企業には取り組むことは難しいままなのでしょうか?湘南診断士ネットにご相談いただければ、以下の観点で、取り組むことができると思います。
①補助金の申請作成支援
中小企業向けの補助金政策には、IT化を支援するためのものがあり、ホームページの作成が対象となっているものもあります。業者を使ったホームページの作成となると、ひとこえ50万円~100万円以上となることもありますので、中小企業にとっては、なかなかポンと出てくる金額ではないと思います。しかし、補助金によりその大部分がカバーされますので、活用しない手はないでしょう。
湘南診断士ネットには、補助金申請支援にたけたメンバーが数多く在籍し、特有のノウハウも多く持っています。どのような時期に、どのような補助金があり、作成にあたっての気を付けるべき記述の観点や、ホームページ導入から補助金の承認を得るまでのスケジュール管理など、意外と気を付けるべきポイントは多いです。
経営者様もお忙しいでしょうから、特に、補助金申請が初めてという方は、ご相談をしていただくことがおススメです。
②中立的立場としてアドバイス
すでにホームページをお持ちの方は、読者はホームページにどのような印象を持っているだろうか?どうやったらより訪問してもらえるのだろうか?といったことを、日々悩みながら維持・管理されていることと思います。かといって、お客様たる読者の方からは、なかなか率直な意見を聞きづらいものです。お客様との信頼関係が強いほど、なかなか本音は言ってもらえませんし、かといって、あまりに率直すぎる厳しい意見をいただいても、心にダメージを受け、モチベーションを失ってしまいます。
湘南診断士ネットには、経営論やマーケティング論を学んだ証である中小企業診断士資格を持った会員が、経営者様よりでもあり、お客様よりでもある、中立的な立場からホームページに関する悩みにアドバイスを行うことができます。
一般に、ホームページ作成者が、書きたいこと、書かなくてはならないと思っていることと、読者・お客様が読みたいこと、求めていることにはギャップがあることが多く、それがホームページ作成者の悩みの種にもなっていると思います。そのギャップを埋めることが少しでもできたら幸いだと思います。
湘南診断士ネットには、「デジタルマーケティング分科会」という分科会があり、こうしたお悩みをお持ちの経営者様に、アドバイスを行っております。ぜひともご相談ください。
③技術面からの支援
実は、この湘南診断士ネットのホームページは、プロではない一般会員の有志が、レンタルサーバー契約、ドメイン取得、ホームページ作成ソフトのインストール等を自前で行って構築したものです。無料のテンプレートを活用すれば、デザインセンスがなくとも、それなりに見栄えのするホームページの原型を作ることができますから、基本的なIT知識やスキルがあれば、インターネット上の情報などを自分で調べるなどし、多くのことが自前でできてしまいます。
さすがに、お忙しい経営者の方が、ホームページを一から自前で作ることは、費用対効果の観点からあまりお勧めはしませんが、完成したホームページを、日々維持管理することについては、極力自身で行うようにし、業者に支払う費用を減らしつつ、自身のスキルアップにつなげるいうのが、中小企業にとって良いことだと思われます。
たとえば、WordPressというアプリケーションで構築したホームページは、プログラミング等のスキルがなくとも、オフィス系ツールを使う感覚でブログやページの更新をすることができます。また、Google社が無料で公開しているGoogleアナリティクスなどのツールを使えば、アクセス解析なども自前で行うことができます。これらは、マーケティングに直結するデータなので、経営者自身が手触り感をもって扱うことが重要です。
湘南診断士ネット「デジタルマーケティング分科会」では、ホームページの構築業務そのものは請け負っておりませんが、日々の維持管理に関する技術的なノウハウを持っていますので、ご相談ください。